芳樹と満月はアサシンのマスターを探るべく、街中を歩いていた。

芸能人である2人が街中を歩いている姿に通行人達は視線を向けた。

「……………物吉、どう?」
「……………アサシンは気配遮断スキルを持っていますから、探るのが大変ですよ。
でも何か不思議なんですよね。」

「不思議?」


「…………アサシンと思しき気配が数十に別れているんです。」

「………………どゆこと?」

「アサシンは分裂しているってことかな。それだったら納得もいく。」

芳樹の話に満月はなるほど、と呟いた。

「…………………分裂しているということは各々が独立した人格を持っているってことなんですかね?」

「解離性同一性障害を持っている英霊とかなら、合点が行くけどね。
……アサシンはほら、ハサン・サッバーハしか召喚されないし。
一部例外もあるけど。」

「…………歴代のハサンの中から誰かが呼び出される、でしたよね。」

「うん。」

「………………あ。」

不意に物吉が足を止めた。それにつられて芳樹と満月も足を止める。

「…………誘ってますね。」

「……………人気のないところで勝負しようっていうのか。」
「……………どうします?」

「…………行ってみよう、満月ちゃん。いざとなればあれで和泉守達を呼び出せばいいから。」

「はい。」





続く。