雄叫びと共に現れたのは、巨躯で仮面を被った半裸の男性だった。
しかし、その頭部には角が生えている。

「…………………サーヴァント、か?」

「ALAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
「……そうみたいだよ、兼さん。バーサーカーみたいだ!」
「…………言われなくても見ればわかる!」

バーサーカーは手に持っているハルバートを和泉守と堀川に向かって投げた。

「LAAAAAAAAAAA!」

「おおっと!」
「…………随分と古典的な攻撃だね、バーサーカー!」

ハルバートをかわした2人はアサシンの気配が消えたことを悟った。

「……どさくさに紛れて逃げたか。」

「追いかける?」

「………いや、やめとこうぜ。気配遮断のスキルを持っている相手を追いかけるなんて芸当、できないしな。
………それにこいつが私達を逃がすと思うか?」


「………だよね。」

「はぁぁああああああああああああ!!」


その時、頭上からセイバーが不可視の剣をバーサーカーに振り下ろした。


バーサーカーはハルバートを拾い上げると、不可視の剣を受け止めた。


「セイバーさん!」

「ったく、来るのが遅い!」


「すみません、遅くなりました。………アサシンは?」
「逃げられた。代わりにこいつが現れたが。」

「………バーサーカーですか。しかし、この角は……………。」
「………どう考えてもアイツだよな………。」
「………うん、もっとも有名な反英雄って言えばいいのかな。」



「………………ミノタウロス。」
「……アステリオスが正しい名前だけど、どちらかと言えばそっちの方が有名だよね、兼さん。」
「………ああ。」
「……ギリシャ神話に出てくる、迷宮の主ですか。」
「……………今ここで宝具を使われたらまずいな。」
「そうですね。」
「……………ALALAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

ハルバートを手にし、バーサーカー…………ミノタウロスことアステリオスは3人に襲い掛かった。





続く。