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真実2

ソルトside

あの日、いつもならあんな時間におきないはずなのにぱっちりと目が覚めた

なにも匂わない世界だったのに・・・あの日だけは違った。

嗅いだことのないような真新しい桜の香りが鼻をくすぐった
それがなんなのかはそう長く時間はかからなかった

そいつは鹿児島からきたっていう転校生、転入早々やらかして早くも注目の的となっていた

廊下でふとすれ違った時・・・なにか感じた

初めて会ったはずなのに、初めて見たはずなのに、なぜか・・・とても懐かしく感じた。

「お前はなぜてっぺんを狙う?」

ふと話しかけた一言

「てっぺんからの景色をみるためだ」

なんでだろ・・・

「そうか・・・早くおいで」

こいつが幼い頃離れた・・・

『さくら・・・??』

妹に感じる

ーーーーー

「あんたには・・・姉妹がいるか?」

廊下ですれ違った時、ふと引き留めた

「なんだ・・・?」

「ただ・・・あんたが他人に見えない・・・」

「なにがいいたい・・・?」

分からない、保証なんて何もないけど・・・。

「あんたが幼い頃生き別れた妹に見えるんだ・・・」

妹だって、なぜか分かった

トリックオアトリート

おたべside

「トリックオアトリート♪お菓子下さい!!」

部室のドア開けた瞬間、バカモノのうるさげな声が耳元にガンガン響いた

「ん?あぁ・・・ハロウィンか」

バカモノのドラキュラみたいな仮装で今日がハロウィンって気づく

当たり前やけど、ヨガもマジックもソルトも仮装なんかしやんといつも通り

「ごめんよ〜今お菓子もってないんよ」

「えぇー!じゃあいたずらしますよ!」

バカモノが後ろ手にもってるマーカー、キャップが光に反射してキラリと怪しげに光った。

「はいはい、じゃあ今からお菓子買いに行くか?」

子犬みたいに目輝かせて、しっぽぶんぶん振ってる、いやしっぽないけど

「じゃあ行くか・・・なんか買ってきてほしいもんある?」

ヨガらも首横にふるだけ、ソルトは・・・メロンパンでええかな

「よし!行きましょ!」

「その前にその仮装脱いでな?」

ーーーーー

「って事が朝からあってな?ほんま大変やったんやで!」

「それはとんだ災難で・・・」

ふぁ〜っと眠そうなあくびで今までの話全部吹き飛ばしたソルト。

「絶対聞いてへんかったやろ・・・」

「聞いてた・・・」

ねむそうに目ゴシゴシこすってる

「あ、そうや!トリックオアトリート!」

なんでこのタイミングで飛ばしてきたんやろ?って不思議なんやろな・・・

きょとんとした顔になって固まったソルト

「え、あぁ・・・じゃあこれで」

その瞬間頬に軽くキスを落とされた

「っ・・・/////?」

世界中のどのお菓子よりも甘かった瞬間やった。

真実

さくらside

「ただいま・・・」

そうは言っても「おかえり」なんて、言う答えは帰ってこない

別に家に人がいないわけじゃない、姉は帰るのが私よりもよっぽど早いから家にいるはずなんだけど・・・

「また寝てる・・・」

ソファーに横になって安らかな寝息を立てているのが9割。

「足出したまんまじゃ寒いって・・・」

めくれあがったスカートからは真っ白な足がのぞく

太ももあたりまでめくれてるのも日常

2階からブランケットをもってきてかけてあげるのも昨日と一緒

こんな当たり前の出来事はつい最近出来始めたことだから実感がないっちゃあない

でも、私がこの家に住み始めてからずっとこうなんだ

「ん・・・」

私が家について三十分ほどで目を覚ました

今日は珍しく早起きか・・・いつもなら7時くらいまでは夢の中だから

「おかえり・・・さくら・・・」

「ただいま、ご飯作っとこか?」

コクンと軽く頷いてまたソファーに体をあずける

そしてふとこっちを向いたかと思えば軽く微笑んだ

「毎日ブランケット・・・ありがとな」

数秒後、また寝息を立て始める

こんな優しい事言うのは・・・マジ女のラッパッパ部長とは思えないほどの素直さ

「遥香が風邪ひいたら・・・こっちも困る・・・」

私たちが生き別れた姉妹だった、って・・・
一体誰が信じるのだろう
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