落 下 温 度

くちをあけたさきにあるのは青空で

結局意味を成さない動作にしてしまった

いつも、このまま、もて余して

為すべきをなさず

有るべきを有さず

こうやって

曖昧に

掲げた腕を祈りにかえて

すげ替え行動に専念するの

恭しく

嘘を吐く

虚しさが耳から胸を鳴らして

また、くちから先を探す

探す




冬の青空をまた汚して





もとどおり

こわれたこうけい

あったかかったら
あたしはいきができます

くもりそらなら
あたしはまぶたをあけることができます

だれもいないなら
あたしはうでをのばすことができます

せかいがおわってしまうなら
あたしはじゆうにいきることができます





あたしは
おくびょうものなのです



あたしは
おろかものなのです



あたしは




あたしは



そんないきものなのです












標本にして
愛して下さい

金切り声をあげて今日も夕日が軋んで落ちる

甘く曖昧に夜が寄る

不確定な明日に思いを馳せて

あたしは今日も温い水の中

どこにも行けないの
何にもなれないの

ただ、温く緩く

境界線も見誤って

どこまでがあたし？
どこからがあたし？

誤魔化す為だけの行為に酔いしれて

馬鹿げた思想を振りかざし

行進交信

猛進盲信




けらけらと





遂に

終に

夜は明ける

対に

墜に

この身は何処か

この身は退こか

わからない




ほらまたあたしがあたしを裏切って

薄ら笑いで囀ってる

内圧に耐えきれず

辟易して空気口を捜す

引っ掻いたって飽きはするけど開きやしない





わかんないのよ



気圧が上がってさらけ出してブチ撒けて

あたしがあたしで在る事の意味がある？

あたしで無い何かに成りたいわけでもないのにね






保てない保たない耐えきれない絶えきれない








わかんないの

あたしって何なのかしら



ほら
また
あたしが囀って
外側も内側も
いつの間にかひっくり返しでんぐり返し

冷えた足を揺らして


チョコレートを頬張る


何だか頭蓋骨の裏側が痒いんだ


君が手を繋いでくれればいいのに


結局、誤魔化して


あたしはひとり、テーブルの冷たさに目を瞑る


ああ、雨の音がする


土の匂いもしたらきっと救われるのにな


強過ぎるカカオの匂いばかりで、悲しくなる


毛布が欲しいな


チョコレート色の


幸せすらも甘く誤魔化して


曖昧にしてくれるのがいい