*まとめ*
そして時は過ぎ。元部屋に居るのは、桂さんともっさんの二人だけですよ。二人は銀さんや晋助、新八くんが女装を終えて、三方向から同時に入室してくるのを今か今かと待っていますよ。
「何か緊張してきたのう。てかここまで乗せられやすいとは阿呆もいいとこぜよ、高杉も金時も」(←本当だな)
「まあそう言ってやるな、坂本。あいつらも将として真剣だ。皆を導く立場の者が率先して動かないとな。俺のように(キリッ)」
「いやヅラ、おまんは率先して動く場面がちっくと間違っちょる」
もっさんにまでツッコミ入れられる桂さん、いやヅラ子太夫(まだ女装姿)
と、その時。薄い障子戸を隔て、三方向から同時に室内に掛けられる声があり。
「で、できました!僕はいつでも大丈夫ですよ桂さん!(ドキドキ)」
「はーだりィ。俺も一応着たわ。マジやる気ねーけどよ(ふわあ)」
「……俺もだ。仕方ねえ……気は乗らねえが、侍には侍のけじめってもんがあらァ(フン)」
三方向から同時にかかった声を聞き、桂さんは嬉々として声をあげます。
「よしっ!ならば同時に入室するは今だ!高杉、銀時、新八くん!お前達、今こそ時は来たぞ!」
その声と同時、部屋に通ずる三枚の障子戸がするすると開かれる。桂さんともっさんの座る前の戸、左右の戸が、同時に音もなく滑っていく。
そして部屋に入室してきた銀さん、晋助、新八くんはと言いますと、
「…………あっ。やべ」
「…………オイ、どういうつもりだ銀時」
「って、僕しかちゃんと女装してないじゃねーかァァァァァァ!!アンタらいい加減にしろやァァァ!!しばき回しますよ!(血眼)」
──おいおいおいィィィィ!あんだけもったいぶっておいて、あんだけ侍としての沽券に関わるみてーな態度しておいて、あんだけ男が廃るみてーな発言しておいたくせして、銀さんも晋助もこいつら何も変わってねーよ!晋助も銀さんも元の格好のままですよ!新八くんだけだよ、ちゃんと女装してんのはよ!(マジお前らときたらっ)
ひぎゃー!こいつらの事だから、自分だけまんまと免れて、なのに侍としてのプライドに唆されて女装してきた晋助(銀さん)を笑ってやろうって魂胆だったに違いない!お互いに似た精神構造なのが仇になったよね、そんでお互いに相手を貶める為なら命がけ!
どんだけ最悪だよお前ら、どんだけ悪ガキかよお前らもう大好きじゃあァァァ!!(ごろごろごろごろ)
だけどもまあ、かわいそうなのは新八くんですよ。銀さんと晋助が最初から女装なんざするつもりはさらさらなかったのに、一人だけせっせと女の子の装いしてさ。きっと新八くんの事だから、
「(あんな事言って、二人を焚きつけたのは僕だしな。僕がまずちゃんと女装しないと……でも二人とも意外と真面目なんだな。てか二人して侍としてのプライドは一流品だな、ふふ)」
などと思いながら、可愛らしく忍笑いしながら、ゴソゴソもそもそとお着替えしてたに違いないと言うか!なのにこの顛末!晋助も銀さんも女装せずに、まんまと自分だけきっちり女装してしまったこの顛末!
「おいィィィィ!!アンタらふざけんなよォォォ!!??何で二人して元の衣装のままなんですか、何で僕だけ!?マジしばき回しますよ!」
だけど血眼になって怒る新八くんを見たところで、晋助も銀さんも全く悪びれてない。
「つか新八もマジになんなよ、あんな事でよ。お前真面目過ぎだよ、俺は最初から高杉を笑ってやることしか考えてなかったし」
「確かにな。お前は生真面目過ぎる。俺ァ最初から銀時の間抜けな姿を嘲笑するだけのつもりだった」
もう何だこいつら!全く悪びれないどころか開き直ってるよ!?銀さんなんて頭の後ろで手ェ組みだしたし、晋助なんて口の端上げてニヤリ笑いだよ、オイ腹立つなお前達!(そこに並べェェェェ)
新八くんだって怒り心頭ですよね、そりゃあね。
「ちょ、もうマジでありえねえ奴らなんだけどォ!?一応は僕に謝るくらいしろよ、てかどんだけリンクしてんの!?普段は喧嘩ばっかりのくせに!」
もう恥ずかしいしムカつくし、新八くんなんて涙目だよ!涙目でフガフガですよ、だからカワイイなお前。だからキュンとするな新八くんはオイ(キュンキュン)
とそこで、まあまあと取りなす桂さんの一声がかかります。
「まあ新八くん、気持ちは分かるが落ち着け。銀時も高杉も悪気があった訳じゃ……」
「いや悪気の塊でしょうがァァァァァ!!どこからどう切り取っても悪気しか感じられないですよ!うわあァァァ!!」
おお、まだまだ涙目で怒ってるねえ。じゃあもっさんだ、攘夷のオカン(桂さん)がダメなら、次はオトンで行こう。
「新八くん、落ち着くぜよ。てか何でそこまで怒っとるんじゃ?むしろカワイイぜよ。まっことカワイイ。自信持ってそう言える姿じゃ、わしなんて新八くんの魅力を再発見したっちゅうに。……アレ?何かイケる気がする、今の新八くんなら!わしも望むところじゃァァァァァァ!!!(キラッ)」
ってもう、やっぱりもっさんもばかァァァ!!(ダンダンッ)
ひはー、も、もももも、やっぱりね!こうなると思ってたよ!『何かイケる気がする』じゃねーだろ坂本さんよォ!股間の息子の赴くままに言葉発しないの!何を改めて新八くんを観察してんだよ、さりげなく新八くんの手を取って口説いてるんじゃねーっての!
でもねえ、そしたら即座に怒る野郎共がいるもんね。
「てんめっ辰馬ァァァァァァ!!何をさりげなく新八を口説いてんの!ふざけんな!(キィィ)」
「何がイケるだ、そりゃテメェの股間の話じゃねえか。この性病のデパートが(ペッ)」
ほらも〜銀さんも晋助もすぐ怒るから。銀さんなんて新八くんの手首を掴んで、自分の方にすぐ引き寄せてるからね。晋助なんてもっさんをガン睨みだよ。
もっさんが新八くんのことを『カワイイ』なんて二回も言うからだよ?
自分らだってそう思ってんのに、もっさんがいの一番に発言したから怒ってるんですね。晋助も銀さんもね、ええ。でも自分らは決して言えないけどもな、こいつらがもっさんみたく素直に言えるはずねーし!(お前達ときたら)
まあしかし、今の新八くんの姿はカワイイのですよ。三つ編みおさげは新八くんの女装時におけるポイントなので外せないとして、それに加えて何故かミニ丈の着物なのですよ?どうして新八くんにだけそれチョイスって話だけども、マジ桂さんグッジョブだよね。
「ぼ、僕だけこんな……一人でバカみたいな格好して……(ぐすっ)」
涙目でミニの着物の裾を引っ張る新八くん。だけども美脚は隠せてないです、あまつさえ白のニーソです。新八くんのおみ足を包む純白のニーソックス、そして着物の裾とニーソの間の絶対領域……どどどど動機が止まらない(落ち着け変態ィィィィ)
まあね、新八くんは公式で美脚だしね!アニメ伝説の150話のパッチーナさんしかり、吉原炎上篇における女装時の着物スリットから覗く太もものちらリズムしかり、あのけしからん太ももとふくらはぎしかり、新八くんってばとても美脚。
新八くんもまた桂さんと同様に、女装すると体格も若干違ってくる系男子ですからね(どんな系ですかそれ)
そんな新八くんの姿に気を取られない筈があるまいね、銀さんも晋助も。舐めるように見たいよね、フガフガしたいよね、抱き締めてスーハーしたいよね、本当はね。
でもな〜あいつらだしなあ。銀さんなんて、じろじろ眺め回した挙句、新八くんの美脚なんて特に重点的に視姦したあげく、
「……てか地味、お前マジ地味。お前すげーなオイ、女装しても地味とかよォ。地味の殿堂入りだよ、女になってもよ。どっかの廃校に居る芋臭ェおさげっつーか(ぷぷー)」
「はあっ!?地味の殿堂入りって何だよ、ふざけんなァァァ!!磨けば光るタイプの娘が最高なんですよ!」
こんなですよ。しかし赤面で怒ってる新八くんもね、銀さんはそういうこと言ってんじゃないよってね(新八くん)
晋助も新八くんをチラチラと眺めた挙句、新八くんの腰回りとかおみ足とかチラッチラッ覗き見た挙句、
「……はっ、テメェほど地味な女なんざ中々お目にかかれねェな。だが何だテメェ、その下品な丈の着物は。今すぐ着替えてこい(ムスッ)」
って、彼氏ヅラしてんじゃねーよ腹立つぅ!何なの晋助、執拗に見てたくせにもう着替えてこいとか、その姿を自分以外の男に晒すな的な、アンタは新八くんの彼ピッピなの!?(そうです)
そしたら、まぁた銀さんと言い争いが勃発しそう。
「え、何で。こんくらいの丈が最高なんじゃねーか。ミニでいい、新八は(真顔)」
「ふざけんな銀時、テメェ誰の許可得てコイツを見てやがる(ガルルル)」
「いや許可もクソもねーけど。ただの感想なんだけど。しかしいいよな、顔はくっそ地味なのに身体はエロい女とか。大概はこういう清楚系な女こそファッカーだしな、常に彼氏切らさねえし、地味なくせに胸とか案外デカかったりして」
って、何言ってんの銀さん。どんな経験則からアンタは物を言ってんの(本当だよ)
でも銀さんの言い分も一理あると思うけどなァ!そんで見た目清楚系こそが、人の男とかたやすく寝取ったりすんだよなァ!?やってらんねえ!(オイお前過去に何があった)
だがしかし、その発言にはさすがに晋助もムカッときて、
「ああ?ほざけ。こんな地味な女はおぼこに決まってんだろうが。……処女でしかねェだろ」
小声だけども譲らない。新八くんの処女性を譲らない。って晋助もばかね大概ね、新八くんのこと言ってる訳でもないのに真面目だねお前は(今更のように)
「えー。いやいやいや、地味だけどエロいってのがいいんじゃねーか。分かってねーな高杉、お前が処女厨なのは分かったけどよ」
「いや違ェ、俺はそんなもんじゃねえ、だがコイツは処女でしかねェんだよ。殺すぞ銀時(ガルル)」
「ハイハイどーも、処女厨乙。だいたいよォ、処女膜とか?あんなもん有り難がる野郎の気が知れねーよ、面倒臭えだけだよ、新八に付いてんなら別だけど」(←最後)
「だからテメェ、いい加減にしやがれ。どこからどう見ても……その、コイツは処女だろうが(プイッ)」
「はああ?何言ってんのお前、お前に女の何が分かんの?生粋の童貞クンのくせに語ってんじゃねーよ」
「(プチっ)……テメェ、言うに事欠いてそれか。殺されてェか銀時」
「いや何の話ィィィィ!!??てか僕はそんなもんじゃねーよ!しょ……てか男なら普通は童貞しか持ってねーよ?!」
いつものように新八くんのツッコミが入るまで、延々と新八くん指差して二人で喧嘩してそうですけどね(大概失礼な奴らですよね)