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だから嫌2

おたべside

「だ、だから誤解だ・・・」

「じゃあなんでか説明出来るわな?」

「ヨガの・・・ヨガが・・・」

左見たり右見たり

完全に目が泳いでる。

そりゃ言い訳考えるん下手やもんな、ソルトは

「でも、私はおたべ一筋だから・・・」

「あたしの事ほんまに好きなんやったらあんな事しやんはずなんやけど?」

そう言ったら下を向いて手のひらを拳に変えた

いじわるし過ぎたかな??

ついさっき、裏庭でのソルトの行動を目撃したばっかり

茶道室につれてって正座で説教中。

ソルトが浮気する、とかそんなん1mmも思ってへんけど反応がいちいち可愛いから・・・つい。

「私は・・・本当に・・・おたべだけ」

スカートがしわくちゃになるまで握りしめてる

あーあ、このままやりすぎたら泣いてまわ。

「冗談、そんな落ち込むなよ?」

「っ・・・」

振り上げられた拳が見事に、あたしのふとももに命中した

「いったぁ!!」

「私にいじわるとか百万年早い」

そう言ってはだけたうちももをぎゅーって抓られるから堪らずソルトの右腕掴んだ

「痛いってほんまに」

「おたべが悪い」

「そんな事言っときながら半泣きやったやん、めそめそ鼻声になっ、いってぇ!!」

こんな感じでいつものペースに巻き込まれる

怖い、とか言われてるソルトやけどほんまは、妬きもち焼きで、涙もろいで、いちずな奴。

こんなソルトを知ってるからこんなにも笑い会える。

「なにニヤニヤしてるんだ・・・」

「いや、可愛いな?って」

「うっざい・・・!」

初めての学パロ

由依side

「せ、先輩・・・」

消え入るようにちっさい声

けどあたしには充分届いたから・・・

「ん?どうしたん?」

振り向いたらビクって震えて一歩後ずさり

こんな行為が人寄ってこやん秘密やって

って思いながら苦笑い

「あ、あの・・・山本先輩が呼んでましたよ」

ん??って島崎の後ろみたら手を大きくふってる彩の姿

山本彩は同じバスケ部のずっとずっと親友の関係

「ありがと」

にこって笑って頭に手のひら置いたら真っ赤っかになってうつむく島崎

ほんま弟みたいで可愛い子

────

6時頃の校舎内は

真っ暗で静まり返っててほんまに怖い

ついてきてくれたってええのに・・・

うらみがましく彩の姿を思い出す

まぁあたしがプリントわすれたんが悪いんやけどね

プリント1枚を手に握って、来た道に踵を返そうとした瞬間

ふと体育館の電気ついてるんに気が付いた
こんな時間に誰やろ??

早くしやなあかんって分かってても足は勝手に体育館の方へ向いてた。

「島崎・・・?」

何度も何度もボールをゴール目掛けて投げてるけどどれも外れて挙句には落ちたボールが島崎の頭に当たったりしてる

後ろからそっと近づいてゴール目掛けてボールを投げた

バスケットボールは綺麗な円を描きながら吸い込まれるようにゴールに入った

「おわ!!横山さん・・・」

「こんな時間に何してんの??」

汗だくの島崎にタオルを投げた

「え、ありがとうございます・・・。俺バスケ上手くないから・・・足でまどいだから練習しなくちゃって」

そういって申し訳なさそうに笑った島崎

「なぁ、ボールってな?がむしゃらに投げたらあかんねん、ゴールの上の黒いテープあるやん?そこに当てるん」

そう言って投げて見せたらパッと顔が明るくなった

きらきらと輝いた顔でボールを手に取りゴールに向かって、一歩踏み込む

ゴールの鉄の輪っかの上でクルクル回ってたけどゴールの中にすっぽりと収まった

こっちを向いて顔を明るくする

満面の笑みで抱きついて来た

「おめでとう、ほら入ったやん、実力はあったんやって!」

「え、俺が・・・ゴール??」

そういった瞬間、自分がなにやってんのか分かったみたいで慌てて体から離れた

「す、すみませんつい嬉しくて・・・」

首を横に振って頭なでたら驚いたみたいに見つめてきた

「嬉しい時は、年なんか関係ないんちゃう?」

はいっ!って笑って何するかと思いきやいきなり唇を奪われた

ポカーンとしてるあたしに、照れくさそうに笑った島崎が言った

「俺ずっと先輩の事好きだったんです、だから今日この日をケジメに」

何言われてるんか全く分からんくて頭の中がこんがらがってくる、それにいつもと違う島崎の明るさ

こんな明るい性格やったっけ・・・?

「俺と・・・付き合ってくれませんか?」

へへって笑って首筋に流れてきた汗を拭ってる

「あたし・・・と・・・?」

「先輩が・・・由依が好きだから」

ぎゅっと体を包み込まれた

ずるいよ、いきなり・・・

背中に手を回して服をぎゅっと握った。




ものかげで彩が見てるとは知らずに
「ニヒヒ・・・まさか由依が島崎とな?フフ♪」

マジすか長編第8話

ソルトside

病院に急いで駆けつけ、おたべの姿を必死に探す

「ゆう・・白露!おたべは!」

連絡をくれたのは、優香だった

「分からない、まだ治療中だから・・・」

白露が言うに、優香を守って代わりにおたべがナイフで腹部を、刺されたらしい

なに馬鹿やってんだ!

怒鳴りたいけど・・・

今はそれどころじゃない

「っざけんな!!おたべのこと助けなかったらぶっ殺すからな」

近くに歩いていた医師の胸ぐらを掴んで壁に押し付ける

か弱い返事だけだから

余計不安になるんだよ

パイプ椅子を遠くまで蹴り飛ばし壁に拳を叩きつける

「落ち着いて!!いま騒いだっておたべさんの体は治らないんだよ」

「逆に聞きたいさ!!なんでそんな平常心なんだよ、なんでそんな冷静でいてられるんだ!!人が死ぬかもしれねえんだぞ」

実際、刺された場面を見てないからこれといって言えないがかなりの出血量だったらしい

傷も浅くはないらしいから

優香に肩をそっと寄せられた時、治療室の扉が開きワゴンが出てきた

そのまま病室まで一直線で入っていき数秒たつと医師たちもぞろぞろ出てくる

「お、おたべ・・・」

力なくおたべのベッド近くに座り込んだ

病院着に酸素マスク、無数に巻かれた包帯がなんとも新鮮で逆に不安を引き寄せる

「私・・・ちょっと飲み物買ってくるね」

空気をよんだのか偶然か・・・

優香が病室を出ていった

おたべと2人っきり・・・と言ってもおたべは固く目を閉ざしたままだから、結果ひとり

本当に馬鹿だよこいつ

「由依・・・」

思わず口からでたこの呼び名

もうこのまま帰ってこない?

いやだ絶対

何がなんでも。

「失礼します」

こんこんっと軽いノックのあと誰かが入ってきた

「白露・・・?」

うかがわしそうに私の顔をのぞきこんできた

首だけを横にふると、不思議そうにおたべの方に向き直った

「はぁ・・・なにがひとりで大丈夫だ・・・」

呆れたような、でも悲しそうにそいつは呟いた

「おたべと知り合いか?」

そう言ってみると数秒間があいたあと軽く口が開かれた

「ラッパっパ四天王、寒露だ」

聞き覚えのあるその名前に、自然と耳がかたむいた

「あんたは?」

「島崎・・・おたべの親友」

親友、そう言っていいのかな?。

少し不安になった

「島崎・・・??白露知ってるか?」

ここにきて白露の名前もでてきた

「私のいとこ」

そう言ったら本当に驚いたみたいで、ギョッとした顔になった

「いとこ・・・ソルト?」

よく、いとこの情報だけで分かったな・・・

「そうだ、私が元ラッパっパ部長ソルト・・・、覚えてくれてるとは嬉しいよ・・・」

寒露との会話で、少なくとも落ち着いてきてる自分がいた。
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