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嫌われ 役

ゆいside

「大嫌い」

そんな言葉もう聞き慣れた

聞き慣れたけど・・・、やっぱり悲しい。

「あたしは・・・」

「何言っても無駄だよ!!」

そう言って走り去っていったぱるるは、ついさっきまであたしの隣で笑ってた

でも、ちょっとは信じてくれても良かったんちゃうん?

今となってはただの言い訳でしかないけど・・・

────

「あの2人最近一緒にいないよね?」

「夫婦喧嘩じゃない?」

そう言って笑い話にしてくれる先輩方

「夫婦じゃないんで」

そう言い切って不満そうな顔すれば、本気って分かったんか口を閉ざした

「どうした?今日は不機嫌そうだな?」

そんなたかみなさんの言葉にも素っ気なくしか返答できやん

「別に・・・」

「彼女の事で悩んでんのか?」

「彼女じゃないですから!!!」

むきになってそう言えば突然たかみなさんが大声で笑い出した

「やっぱり似てるねー、ぱるるも由依と同じ反応だったよ」

「ほんまに・・・彼女じゃないんで・・・」

あたしは好きやけど・・・ぱるるは・・・

「ほら!行ってこいよ、まだ言えてないんだろ?由依の気持ち」

「で、でも・・・」

「そんなんだから伝わらないんだよ!ほら!!行ってこい!」

背中をトンっと押されてグッドポーズ

あたしも軽くグッドポーズをしてみせた

あたしの思い・・・

伝えたい。

たまには

ヨガside

屋上に吹く風が肌を包み込み冬を訪れさせた

少しの身震いなら、スカジャンなんて着ない・・・

はたに置いてあるスカジャンにそっと目を移した

夏でも冬でも・・・

お昼が終わったら数時間は屋上でヨガをしてる

なんでだろ??なぜか屋上。
誰も来ないからかもしれない・・・

「っ?!」

ふと背中に何かが密着した。

この甘いバニラみたいな香りは・・・きっと

「ソルトさん・・・?」

つんつんしてるくせにバニラみたいな香りなんだから・・・そこのギャップが良いと言えば良いけれど。

「ん?」

ソルトさんが私のところに来たこと自体がビックリなんだけどさ。

あのソルトさんが背中と背中を密着させてきた

横に座るわけでも顔を合わすわけでもなくて、ただ背中をあわせて真っ直ぐ前向いてる

「どうしたんです?」

「・・・何が?」

「え・・・その・・・。」

なんて言えばいいんだろ?

変な風にとらわれても嫌だし・・・

「おたべがさ・・・最近忙しそうだから」

「え?」

「甘えちゃ・・・駄目か?・・・」

そう言って体重を私の背中にあずけてきた

「いや、駄目とかじゃなくて・・・」

「おたべ・・・疲れてそうだから・・・、私が今甘えに行ったら余計疲れちゃうだろ?」

ほんと、鈍感だよソルトさん。

疲れてるからこそ、おたべの元へ行ってあげなきゃ

「そうですか・・・」

「意外か?私が甘えるとか・・・」

そりゃ・・・どっちかと言われたら

「意外ですよ、それも私に甘えるなんて・・・」

そう言えば軽い笑いがソルトさんの口から漏れた

「あんたのことは、どうも嫌いになれなくてね・・・」

その瞬間、どきんっと胸が高く舞い上がった

「私は・・・好きんなんですけどね、ソルトさんのこと」

「知ってる」

「なんですかそれ」

その会話のひとつひとつがおかしくて・・・

顔を見合わせてクスクス笑いあった

「ックシュン・・・」

「大丈夫ですか?風邪ひきますよ?」

寒がりなソルトさんがなんで来てくれたんだろ?私なんかのところへ

スカジャンをソルトさんの肩からそっと掛けるとにっこり笑ったような気がした

「あんたが私を大切に見てくれてるのは知ってるし私も大切にしたい・・・」

「じゃあ、」

「だから、あんたを選んだんだろ?」

そう言って微笑んだから。

顔が真っ赤に染まってうつむいた

「なんだ今頃照れ出したか・・・?」

「うるさいですよ・・・」

ソルトさんはおたべだけど・・・

私はずっとソルトさんですよ?

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