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マジすか長編企画第11話

ヨガside

「おたべさん・・・」

涙を目に溜めたバカモノ。

頭をこつんと軽く叩いた

「何心配してるんだ・・・。おたべだぞ?」

「で、でも!!」

なにをそんなに心配してるんだよ?

「信じて待つ、それが今私たちに出来ることじゃないのか?
あいつが帰ってきた時真っ先に来たくなるような場所、守らなきゃいけねえだろ?」

そのソルトさんの言葉にはバカモノだけじゃなくて、私もマジックもはっとなった。

「こんなうじうじしてたら・・・、困って帰ってこられなくなるしな・・・」

おたべはきっと大丈夫。

あのおたべだ。こんな事で死んでもらっちゃ困る。

まず、ソルトさん置いて死ぬとか私が許さないし。

「ひとりじゃ行かせませんよ・・・」

いきなりそんな事を言い出したマジック。

その一言でマジックが何を言いたいのか、ソルトさんが何をしようとしてるのか、分かったような気がした

「何言ってんだ?どこにも、行かない・・・」

バカモノはぽけっとしてて話に付いて行けてない。いやこの際バカモノには言わないでおこうか?

危険な目には合わせたくない

不思議そうに笑ったけど、私たちの真剣さに根負けしたのかはぁ・・・と深いため息を付いた

「バカモノ、あんたは留守番してろ。マジック、ヨガ行くぞ」

1度、おたべの頬をそっと撫でて額に唇を当てたソルトさん。

バカモノ??

あのバカが大人しく留守番とかしてるわけない

私たちに続いて病室を後にした。

────

ソルトさんがひとりでしようとしてたのは、おたべ刺した奴らのグループ全員のメンツ潰し。

「あぁ?!?なんだてめえらやんのかごらぁ?!?」

片耳に指を突っ込むという挑発にヤクザのこめかみがピクピク揺れた

「なめてんのか?!あぁ?!?」

「うるさい・・・ゴリラかよ・・・いやゴジラか?」

そのソルトさんの一言に私たちだけじゃなくて他のヤクザの奴らもクスッと笑った

「ふざけてんじゃねえぞ!!!」

木材を力いっぱい振り上げ、ソルトさん目掛け振り下ろされた

ソルトさんに当たる寸前、私の右腕がじーんと鈍い痛みを走らせた

「ソルトさんには指1本触れさせない・・・ソルトさんは私が守る」

あぁ・・・懐かしいな

確かいつもこうだったっけ??

現役の頃がひどく懐かしい

ソルトさんは守られなくたって充分生きて行けるけど、傷どころか返り血も付けたくなくて、自分を犠牲に守ってきた

ほんと懐かしい


この血が煮えたぎる熱い感じが。

アジトの外を固めていた幹部5人ほどを5分もしないうちに、地に伏せさせた

マジックもバカモノもソルトさんも拳を握ってないし返り血も浴びてない

まだ体は鈍ってないようだ。

「行くぞ」

ソルトさんの言葉を合図にアジト内に1歩足を踏み入れた。

マジすか長編第10話

白露side

おたべさんが「刺された」って事は翌日には学校中に知れ渡っていた

いや、それどころか街中。天下統一のラッパッパ部長が戦闘不能だもん、そりゃ騒がれるよね

「おい・・・やべえんじゃねえの??」

「おたべも、もう終わりだな・・・」

私たちが四天王だと知ってか知らずが・・・

ヒソヒソ陰口を言っている2年の先輩たちに強烈なブローが叩き込まれた

「あぁ?!もう一変同じこと言ってみん?!?おたべはまだ負けてへんぞ!!」

寒露はなにげにおたべさんのこと気に入ってたからね。

刺されたって聞いて、いち早く取り乱してたのを覚えてる

「犯人どうなったんだ・・・?」

「20代の薮本って奴だろ・・・?もう捕まったって」

その言葉には・・・

心なしか寒露の左口角が怪しげに上がった。

「どうしたの?」

「いや・・・犯人は本当に薮本なんかな〜って」

寒露は知ってるの・・・??真犯人。

────

花が数本入った花瓶がコトンっと軽い音を立てて座った。

まだおたべさんは目を覚まさない・・・

もう目を覚ますことはないのかな・・・?

駄目、そんな弱気になっちゃ

近くのパイプ椅子に腰掛けた瞬間、タイミングよく病室のドアが開かれた

「なんな、来てたんか?」

「うん・・・大切な部長だもん」

ちらって寒露の顔を見てみればまた怪しげに口角をあげてる

「なにか面白い事言った?」

「大切な部長・・・やもんな」

寒露は何を知ってるの??

この事件の何を??

自分が何をしたのかを??

教えてくれない・・・?

寒露はあの時何をしていたの???

酔い

遥香side

「もうっ・・・大丈夫??」

だから由依にお酒飲ましたくないんだよ・・・

由依は体質的にお酒弱いはず、なのに絶対むちゃする

「なーあ?ぱるるーもっと飲もよー」

「飲まないから!!明日休みじゃないんだよ?」

ちょっぴり厳しめに言えば悲しそうな顔して潤った目で見つめてくる。

「頭痛いー」

「飲みすぎた、由依が悪い!!」

「ウー・・・」

口調は厳しかったかもしれないけど・・・これでも心配してるんだから・・・

「じゃあひとりで飲むー」

「駄目だから!」

無理矢理手をひいて、寝室まで強制連行。

「変態やな〜ぱるるは」

「なっ!そんなんじゃないから!!」

もう・・・ほんと酔った由依のペースは困る

「ん〜何ー?してほしいん??」

ニヒニヒ笑ってベッドに押し倒してきたから軽くパニックになった

「由依!!」

「冗談・・・もう寝るから、そばで寝て??」

軽く頬を叩いて手をぎゅっと握った

「酔いすぎは駄目・・・、可愛いから・・・逆に襲っちゃう」

最後の言葉はどうか聞こえてませんように!!

そう願いながら、由依の胸に顔をうずめて眠った

────

「うー頭痛い」

「だから言ったじゃん、飲みすぎって」

反抗期(部長失格続き??

おたべside

なんでか。今頃・・・

島崎が、反抗期っぽい。

あたしが、ラッパッパに入って1ヶ月ほどした頃。

毎日毎日、あたしが部室におったら安心したみたいに笑って、ほんまに甘えた時は膝乗ったりしてたのに・・・

今じゃ、ことある事に喧嘩して、ずっと不機嫌そうな顔してる。最近は笑顔すらも見れやんから・・・ちょっと・・・寂しい。

「おはよ」

前ならおはよう!!って微笑んで挨拶してくれてたのに・・・

今じゃ目すらも合してくれへん。

ただ嫌われたんかな?って思って部室出ようと思っても、島崎の悲しそうな目線が刺さったり時には服の裾掴まれたりするから・・・。

両者一言も喋らへんから、静まり返った部室は無人みたいに寂しい。

「どこ行くん?」

「どこでも良いだろ・・・」

そうぶっきらぼうに言い放って荒々しく部室のドアを閉めて行ってしまった

「なんなよ、あたしがどっか行こうと思ったら止めるくせに・・・」

そんな呟きはあたししかおらん部室にフワフワさまよっていた。

────

「ッ・・・グスッ・・・」

部室に入れば微かに聞こえる島崎の泣き声

ただ、部室におるんつまらんから友達と連絡とって遊びに行ってたってだけ。

それで、忘れもんしたから部室に取りに帰ったら島崎は・・・。

「1人に・・・しないって・・・約束だったろ・・・」

途切れ途切れに切羽詰ったように口を開いた。

ほんまは慰めちゃらなあかんのやろうけど・・・思わず苛立ってさ

「でも、島崎があたしのことずっと放ったらかしにしてたんやで?勝手過ぎや」

あたしだって・・・寂しかった

「そんな事言われても・・・じゃあ・・・退部すれば?」

まーだ、ソルトさんするか??

素直じゃないやつ。

「島崎は独りで良いん?」

「別にいい」

「独りは辛いんちゃうん??」

「ッ・・・」

あんなに『独り』を怖がってた子やで

そんな簡単に独りになれんのか??

「分かったじゃあ退部する」

そんないじわる言えば、胸に顔をうずめて、ぎゅって抱きしめられた

「どないしたん・・・?独りでええんちゃうん?」

「意地悪・・・しないで・・・」

こんな可愛さ反則やわ・・・

「言ったやん、独りにしやんって・・・だからあんたも独りにさせたあかんで??」

分かった、って呟いてからずっと離してくれへん

ちなみに・・・、今日この日を堺に島崎は『ソルト』に改名した。

かっこいい理由とかは無くてただ、反抗期で冷たかったからって理由

反抗期(部長失格続き??

おたべside

なんでか。今頃・・・

島崎が、反抗期っぽい。

あたしが、ラッパッパに入って1ヶ月ほどした頃。

毎日毎日、あたしが部室におったら安心したみたいに笑って、ほんまに甘えた時は膝乗ったりしてたのに・・・

今じゃ、ことある事に喧嘩して、ずっと不機嫌そうな顔してる。最近は笑顔すらも見れやんから・・・ちょっと・・・寂しい。

「おはよ」

前ならおはよう!!って微笑んで挨拶してくれてたのに・・・

今じゃ目すらも合してくれへん。

ただ嫌われたんかな?って思って部室出ようと思っても、島崎の悲しそうな目線が刺さったり時には服の裾掴まれたりするから・・・。

両者一言も喋らへんから、静まり返った部室は無人みたいに寂しい。

「どこ行くん?」

「どこでも良いだろ・・・」

そうぶっきらぼうに言い放って荒々しく部室のドアを閉めて行ってしまった

「なんなよ、あたしがどっか行こうと思ったら止めるくせに・・・」

そんな呟きはあたししかおらん部室にフワフワさまよっていた。

────

「ッ・・・グスッ・・・」

部室に入れば微かに聞こえる島崎の泣き声

ただ、部室におるんつまらんから友達と連絡とって遊びに行ってたってだけ。

それで、忘れもんしたから部室に取りに帰ったら島崎は・・・。

「1人に・・・しないって・・・約束だったろ・・・」

途切れ途切れに切羽詰ったように口を開いた。

ほんまは慰めちゃらなあかんのやろうけど・・・思わず苛立ってさ

「でも、島崎があたしのことずっと放ったらかしにしてたんやで?勝手過ぎや」

あたしだって・・・寂しかった

「そんな事言われても・・・じゃあ・・・退部すれば?」

まーだ、ソルトさんするか??

素直じゃないやつ。

「島崎は独りで良いん?」

「別にいい」

「独りは辛いんちゃうん??」

「ッ・・・」

あんなに『独り』を怖がってた子やで

そんな簡単に独りになれんのか??

「分かったじゃあ退部する」

そんないじわる言えば、胸に顔をうずめて、ぎゅって抱きしめられた

「どないしたん・・・?独りでええんちゃうん?」

「意地悪・・・しないで・・・」

こんな可愛さ反則やわ・・・

「言ったやん、独りにしやんって・・・だからあんたも独りにさせたあかんで??」

分かった、って呟いてからずっと離してくれへん

ちなみに・・・、今日この日を堺に島崎は『ソルト』に改名した。

かっこいい理由とかは無くてただ、反抗期で冷たかったからって理由
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