ソルトside
いくにちも行く日も待ち続けたけど・・・
おたべは目を覚まさない。
なんでだよ、なんで起きてくれない??
あれほど、ひとりにするなって言っただろ?
なんで・・・
おたべの左手を握ってた手に思わず力が入った
前々なら痛い!って笑ってたけど、今は無表情でなにも言わない
「遥香ちゃん・・・?」
「誰だ・・・、優香か。」
目に溜まっていた涙をそっと拭った
「ごめんね、私のせいで・・・」
「これは誰のせいでもない、だから優香のせいでもないんだよ??自分を責めちゃ駄目。」
そう言って真っ直ぐ見つめたら視線を外された
「もう行くの?」
花瓶を置いた後パイプ椅子から立ち上がった優香。
「きょ、今日は・・・用事あって」
明らか何か追い詰めたような表情になった。
「そっか・・・、何時ぐらいに行くの」
「6時頃かな?」
病室の壁掛け時計を見てみたら、まだ4時頃
「送ろうか??」
「え・・・?」
今から出るぐらいだ、遠いんだろ。
「ひとりで行かせるのにはどうも気が引けてね」
優香は昔っからそう、なにか追い詰めたり嘘を付いてる時は手のひらを拳に変えて絶対に目を合わそうとはしない
「うん・・・お願いしよっかな?」
ちらっとおたべに向けて心の中で呟いた
《絶対に犯人見つけるから・・・仇は打つ》
────
「麦茶で行けたっけ?」
「え?ありがとう」
そう言って一口だけお茶を口の中に流し込んだ
「真犯人はさ・・・身近にいるようにして、ならないの・・・」
そう言えばふーんっと考えたように首をかしげる優香
「本当に身近なひと・・・、そばに居たりしてね」
困ったようにほくそ笑む。
「私は・・・絶対見つける・・・そして殺す」
人さし指で唇にふたをされた
「そんな事言っちゃ駄目」
「あ、ごめん・・・」
優香の前で喋り方が変わるのもこのせい。
優香はまだ汚れてないから・・・汚したくないんだ
「でも、見つけるのは本当。例え殺せなくたって潰す」