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おたバカ(番外編(おたソル過去)

おたべ(由依)side

教室に入れば声を押し殺して泣いてる

またや・・・また、泣いてる

「遥香・・・またあいつらか?」

そう言えば首をふりふり横に振る

「さっき転んじゃって・・・」

「ほんまか?ほんまに転んだだけ??」

黙って涙ポロポロ流し出す

遥香は嘘つくん下手やもんな。

「行くで、立てる?」

「違う・・・本当に」

じゃあなんでびしょびしょなん?傷だらけなん?泥まみれなん??

遥香の手を引いてあいつらの後を探した

────

「ちょっと待てや!!」

ランドセル背負ってキャッキャッ野猿みたいに騒いでるこいつらは、遥香の事をいじめてるいじめっ子グループ

あたしはな?嫌いやねんこういうのが

「またあんた??なに」

「遥香の事またいじめたやろ!」

「知らなーい、ね?島崎」

遥香の事をかばうように前にたった。

「あんたらが泣かした事ぐらい分かってんねん」

「じゃあ、なに??あんたもいじめられて欲しいわけ?」

そういってどこが面白いんか人目を気にせず大笑い。

何が面白いん?

なぁ??人いじめて・・・遥香傷つけて・・・

「・・・やれや・・・」

「はぁ?」

「遥香に謝れや!!」

遥香の体についてる傷の倍。そいつらに負わせて泣かせたら逃げていく

安心からか、次も・・・の心配か遥香がひざから崩れ落ちた

「大丈夫?」

「ごめん・・・由依・・・。また傷付けちゃった」

また涙流すから・・・

「泣くなよ?守ってんねん、あたしが泣かせたらあかんやん・・・」

胸に抱き寄せればより一層声を出して泣きはじめた

遥香はまだちっさいから。

か弱いから

あたしが守るねん、何がなんでも

あたしの体なんか盾に使えんねんやったら本望や

絶対まもんねん。

────

ある日放課後、教室を覗けば、泣いてない遥香

嬉しくなって遥香の元へかけていけばいつもと違う様子

「遥香・・・?」

「・・・っ」

肩をぽんっと叩けば驚いたように目を見開いた

「由依・・・」

その一言と共に涙が溢れんばかりに流れ落ちてきた

「え?!」

急に泣きはじめた遥香を前に戸惑うことしか出来へんかった

「由依・・・ごめん・・・今まで・・・」

「遥香?」

「由依は・・・ずっと傷付いてた・・・分かってたのに」

ゆっくりと背を向けてた体をこっちに向かせた

「っ?!?」

真っ白な制服は真っ赤で鮮やかな血色に染まっていた

「もう・・・傷付かせない・・・これからは・・・私が守る・・・。由依の事は・・・私が守るんだ」

嫌な予感がして教室の奥を覗けば、情けなく転がってるのはあの、いじめグループ。

それも、死んでるかと思うぐらいピクリとも動かへん

体を真っ赤な血だるまにして、あたしらの前に伏せてる

「遥香・・・?これ・・・」

「死んでない・・・きっと・・・」

少々やりすぎたこの行為は。

あんまり世には広められやんかった

勿論、イジメっ子の親からは爆発的な講義が殺到したけど
遥香の「だから何??」と
あたしの「元はお宅の子がいじめてたんですよ?」

の話し合いで尻尾巻いて帰ってった

遥香はあの日から変わった。

人が変わったように喧嘩に明け暮れてボロボロになる事が多くなった

でも、ただがむしゃらに喧嘩してるんじゃないって分かってる

全部あたしを守る為にしてくれてるって事ぐらい。
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