スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

『生詫』

孤独な空を見上げている

しかし
空は灯りに阻まれて
空は天井に阻まれて
我が眼に映る事は無い

ならばと
薄い透明の板を通し見るが
直の空ではない

あれから
己の背に負うた罪は数多
己で気付いた罪は数多

償いの言葉を繰り返す
壊れたレコード

さらに重ねる罪荷は重く

過去に救われた声を
一夜に何度も思い出しては

助けを求め

懺悔を並べ

我が生を謝罪する…

しかしながら
声届ける事すら
罪と成りそうで

しかしながら
生きるを発す事すら
罪と成りそうで

また激痛を飲み込んで

生きるを謝罪し
罪荷を背負いて
立ち方も忘れ
逃げるも許されず
戻るも許されぬ



救われた日々を
今はただただ感謝して

救われぬ今を
罪重ねる今を
独り
恨みながら
悔やみながら



旅路は
未だ終らず…

救われぬ身を
恨みながら
見捨てながら

今宵もまた己をさこうか

いつか華とさけるひを

切に願うも…

嗚呼、だから
今宵もまた己をさこうか?

『泥に閉ざされる視界』

泥の中に
徐々に吸い込まれて行った

ズブズブと

天の光が懐かしい
天の光が遠くなる

ズブズブと

恐れ、偽り、疑い

絡み付いた

悲しみ、淋しさ、孤独

ドロドロな世界へ
ゆっくり ゆっくり
私は一人で吸い込まれて…

涙なんて忘れたよ

呼び声なんて忘れたよ

救いを求め
私は手を伸ばそうかとした

しかし
今の私には
その手を握る人が解らない

もう
何も解らない

『狂宴』

数多の極彩色が
ネオンに化けて

狂いのカーニバル
今また開幕

恐怖に憑かれて
夜毎に踊る


昼夜問わずに迎えに来るよ

そんな様になったは
いつからだったか…?

仮面の下はどんな顔

ドレスで隠した躰は壊れて

それでも終らぬカーニバル

終幕を願い

懺悔に噎び

それでも…
狂いのカーニバルが
迎えに来るの…

踊りましょう

歌いましょう

叫びましょう

狂いましょう

そして

疲れて眠るんだ…

明日が来るから

眠るんだ…

『夜旅』

眠れないのでなく
眠らないのであろう

己の息と鼓動

映らなくなったTVノイズ

無音の世界は
ポッカリと空いた穴の様

目蓋を開けたまま
朝へと向かうと言うのか

それとも
朝を恐れて目蓋を閉ざすか

傍らの物言わぬ白猫を抱き

無言のままに意思を疎通

白は語らず
我も語らぬ

流れる時が
今はゆったりとして

まるで
今までの激流が逆さまに…

止まった水は
いずれ淀むであろう

平穏と言う名の偽りは
いつしか罪を運ぶだろう

闇夜に漕ぎだし
また一つ
僕は新たな道を探してる

しかしながら ここは
一人で生きる世界でない

この世は数多の人々が
あちらへ こちらへ

己の心を闇に託して

真の眠りに誘われる迄

白は語らず
我も語らず…

今宵も深々と夜は続いてる

『蛍灯』

触れようとすれば
フワリと逃げた蛍が1つ

淡い点滅に
重要な言の葉を隠し

淡い点滅に
命の儚さを託しながら

一人で身を焦がして…



そしてこちらは
行く先知らずの雌蛍

光を知らぬも
点滅を知らぬも

ただひたすらに
想いに身を焦がし

鳴けぬ言葉に意味隠す

誰かが呼んでるワケもなく

今期も独り儚く静寂

そちらの水は甘いのか?

こちらの水は甘いのか?

それも知らずに
儚く、儚く

前の記事へ 次の記事へ