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『泥濘にはまって』

ドロドロ沼に落っこちた

ズブズブ沈み

プカプカ浮かぶ

浮きつ沈みつ

ますます深みにはまる

浮きつ沈みつ

ますます体が重くなる

「救けて」

勇気を出して声を出そうか

「救けて」

勇気を出して声を出せば

もしや誰かが手を掴む?

沈みながら

ヌルリと手を出した

しかし

私が誰かの手を掴んだら

私を誰かの手が掴んだら

誰かも一緒に
ドボンと落ちる?

ミイラ取りが
ミイラになって

誰かも一緒に
ボシャリと落ちる?

ならば…

トプンと手を戻す

浮きつ沈みながら

パシャリと手を戻す

『野良猫、散歩中』

ショーケースの中の
可愛い子猫
自分を養い、労る者を
何も知らずに待っている

それを見ている
ボクは野良猫

一度も飼われた事はない

だから
主人を知りはしない

「今更もう」

等と諦めたフリをして
子猫を見つめて笑み浮かべ
今日も一人で西へ東へ


野良猫仲間
捨て猫仲間

そんな奴らとつるんだり

飼い猫友達
放浪猫友達

そんな奴らを見送って

ボクは野良猫

今日もホテホテ
散歩中

誰かに見つけて欲しくって
誰かに愛して欲しくって

『サカナ』

魚の様に
パクパクと
天に向かって口開けた

目蓋を閉じたなら
きっと雫が落ちるから
出来る限りで
開けたまま

天に向かって
カプカプと…

空気が全て水ならば
きっとここは水槽だろう

時が来たから
灯りはバツリと落ちた

だけど私は
自分の知る範囲を
行ったり来たり

嗚呼
きっと私も魚だろう

自分自身を
狭いガラスに閉じ込めて

それを大海と誤解した
きっと私も
魚だろう

『青い鳥』

青い鳥、逃げ出した

籠から飛び出し逃げてった

フワフワ羽を残して
籠から飛び出し逃げ出した

いいや

元々いなかった

青い鳥はいないんだ



青い鳥をむしった

青い鳥はむしられた

幸せ欲しいとせがまれて

青い鳥はむしられた

いいや

元々いなかった

青い鳥はいないんだ

残っていたのは白い羽



ならば問う

ボクの籠には何がいた?

ならば問う

アイツがむしった物は何?

ならば問う

キミが探しているのは何?

『私とワタシ』

嫌な自分が顔を出した

自分の中の
もう一人の私

曇天の空の下
ジメりと暑い空気の中

もうヒトリのワタシ

殺意や憎しみ

愚かしく聞こえる
雑踏の笑い声、話し声

見下し眼の
もうヒトリのワタシ

自分の居場所を模索して
涙を浮かべる
ホントのワタシ

あの日から
幼き日から
共に育った

ワタシの中のもう一人の私

何で今頃
会いに来たの?

彼女は声無き声で笑う

ワタシは私

私はワタシ
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