スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

『怯え切った脳裏』

あまりに早い流れ

あまりにも煩い喧騒

それらを見ると
湧いてくるのは
悪夢のような白日夢

妄想や空想でしかないのに

脳裏にベットリ張りついて
私の精神を食って行く

涙も枯れる夕刻

後生だから
やめておくれよ…

弱々しい声で
力無き声で
そっと囁いたけど

誰も私をすくいはせず

また
怯え切った夜が始まる

貴方の腕の中に居るのは
私じゃない

貴方の腕の中に居るのは
ワタシジャナイ

『不穏な風音』

その日

肌に感じぬ風が
吹いていたらしい

カラカラと回る風車さえ

知らぬ風が

吹いていたらしい

風見鶏のみが気付き

右から左へ振り向いた

弄ばれた髪に気付かず

流れすら知らず 知らず

対岸へ流された私しが
その風に気付いた時には
もう全てが変わっていて

涙を流し 心を隠し

己を壊しながら…

歩かざるを得ない状態と
相成っておりました

『閉ざした扉』

‐その一、‐

今の今迄

数回しか開かなかった
この扉

中へどうぞと
招き入れた

しかし
今は片手の指が余る程の
住人しかおらぬ

居心地が悪いのだろうか?

さあ?

私は住んでいないから
解らない…


‐その二、‐

軋む音が聞こえた

固く、固く

この扉は閉ざされるだろう

あっけなく開けた君は
どこに行ったんだい?

こうも簡単に鍵を外し

中へどうぞと
誘われた人を僕は知らない


‐その三、‐

中か外か解らない

取り敢えず
膝を抱えて丸まった

そんな私は
役に立たず
意味もない

ただ

亡者がわらわらと集り

私の体を噛り取る

私の幸せは
血と共に流れだし

いつしか
私を殺すだろう

軋んだ扉は
もう開かないのか

解らない

『厭世観』

病に倒れ うんうん唸る

まさに その時こそ

真の「生」を知る

苦しみから
「いっそ殺せ」

そう叫んでも 内心

死を恐れ 死に戸惑う

恐ろしきは

常に漂う厭世観

常に「生」を知らず

「生」に縛られず

自問自答を繰り返しては

また

この悲しく 憎い世界から
離脱する事を願ってばかり

『万物を唄にして』

カツカツと歌う石畳

貴方の傍

鉄の塊が行き来する道
挟めば

貴方は目前にいる

ただ
貴方の姿が見えないだけ…

心と心が
結ばれるかと期待してた
それは嘘ではない

しかし

その儚い期待は
秋空に舞落ちて来る枯葉

もっと傍にいれば良かった
もっと知り合いたかった
もっと もっと

秋風に弄ばれた髪を押さえ
足元を見る

ハラハラ舞落ちた花弁

踏まれて
薄汚くなろうとも
確かに咲いていた証

坂から見下ろす風景

悲しみを堪えて
偽り笑顔

ここの風の香は好き
「貴方に会える」
そんな香だから

ここの風の香は嫌い
「貴方に会える」
そんな香だから

風向きが変り
心が変る

隣に居てはいけない

そんな私は
対岸で泣いていたんだよ

知ってか知らずか

君は対岸で
優しい笑顔で手を振った

振り返した私の指先
嬉しさと悲しさに凍る

優しくなんかしないでよ
優しくなんかしないでね

いくつもの強がり

いくつもの嘘

私は重ねて 積み上げて

いつまでも貴方の傍にと
願わずにいられない…
前の記事へ 次の記事へ