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『ラリー』

最初に打ち出したのは
どちらでしたかね?

ステージの上

行ったり来たりの
小さな気持ち

ちょっとした変化球は
あっさりと流されてしまう

あなたは
力強く打ち返すでもなく

私を
ただ試すよう

行ったり来たり

延々と続くような
気が遠くなりそうなゲーム

それでも

何故でしょう?

私から終わらせられない

あなたなら
終わらせられるハズなのに

私からは終わらせられない

あなたにしか
終わらせられない
延々続く寂しいゲーム

休憩すら
私には無いよ

休む暇なんて
私には無いんだよ

『切り捨て御免』

切り捨て御免

立ちはだかるお前は

いつも笑顔で

私の胸を切り裂くから

切り捨て御免。

無理矢理に私の前

現われては

下手くそな演技を見せ

おひねりすがる旅芸者

邪魔だと一言

吐かせもしない

切り捨て御免。

今や私は

単なる辻切り

誰も私の味方はせぬだろ

信義や理由は

埋まってしまう

なら

切り捨て御免さ

切り捨て御免だ

『逃げれぬ馬車馬』

職務放棄と自己欺瞞

逃げ道塞がりゃ

どうすんの?

お願いしますは簡単で

後は任せたとんずらで

残っているもな

全部私が食べるのかい?

汚れた場所しか

残ってなくて

私が全部片付けるのかい?

人は一人じゃ
何も出来ない

誰がそんな嘘を言う?

誰がそんな綺麗事?

だけど
一人でやるのは
難しいんだよ

だから
誰かとやってるんだろ

任せた

任せた

負わされて

どこにも居場所は
ありません

どこにも逃げ場は
ありません

私の尻に鞭を入れたら
私は何処まで走るんだろ

同じ所をひっぱたかれて
いつしか鮮血
花と散る

それでも誰も
気付きゃしない

それでも誰も
見向きもしない

知らない顔さ

知らんぷりさ

治る見込みが無い事知って

ただただ
蛆だけ
湧いてくるのさ

うちそとなかにも
味方は無いのさ

『蜘蛛女』

てふの夢

てふを追う

あなたの背中を見つめてた

てふは

あちらの花へ

こちらの花へ

蜜さえ貰えりゃ

何処にでも行くのよ?

私は呟いた

それでも

あなたはこちらさえ
振り向いてはくれない

私は
八方に糸をかけた

あなたはそんな私を
見たくもないのでしょう


媚売りのてふの方が

余程可愛いのでしょう

醜い肢体

嗚呼
それだけでは飽き足らず

私は
醜い心
醜い、醜い


生み出した糸が
朝露に濡れたなら

光の力
借りられたなら

あなたに
綺麗と思って貰えるの?

それすら
希望とも思えはしない



憎しみと悲しみから
私は

腹を満たすため
てふを無惨に食い千切る

そんな姿は
見せたくないの

あなたに姿は
見せたくないの

『ハルマチ コウタ』

凍てついた空気

世界は銀色に眠る

時折

天から羽が降る

土の色を忘れた世界

土の香りを忘れた時間

そんな中

春を待ちわびて
静かに眠る 我が心



春を告げる音が来る

その頃には

青い雪が
大地に帰る頃には

幸いは
私の身に煌々と注いで

深く 深く眠った
この心を救うだろうか?

まだ見ぬ幸いは
私の身に
私の心に

柔らかな春を
与えてくれぬであろうか?

春を待ち

幸を待つは

何も
草花だけではないと

極冬のちにて
我は願うのです

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