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『新前世界』

階段を上り詰めて
振り返った

知識を貪欲に食らう程に
自分の昔話を思い出す

月を太陽が八つ裂きにし
階下に投げ捨てた日

私は
贄の断末魔に…
どんな顔をしたのだろう

暖かい風は忘れた
暑さも歓びも戦の香も

遠すぎて
全て忘れてたよ

もしくは

近すぎて
全て封じていたんだよ

迎えに来た狼犬

笛を鳴らし 艶やかに踊る

唯一 与えられた特性

もしかして
私は貴方を
知っていた?

問うも 聞こえず

ただ

運命の不思議に
翻弄されるばかり

『fake show fake song 』

見事なニセモノ

ホンモノにはなれない
だって

…ニセモノだから…

ホンモノのフリをして
歌い上げた詩

ホンモノより
上手に歌えるワケが無い

ニセモノのマネした
ホンモノ

ホンモノのマネした
ニセモノよりも

歌が下手で滑稽
勝てるワケすらない

ニセモノに負ける
愚か過ぎて
屈辱すら感じないホンモノ

ソレが一番
滑稽…

ホンモノはニセモノに
勝てるワケが無い

ニセモノはホンモノに
勝てるワケが無い

逆さまのカオした

偽りのセカイ

廻る事もないし
止まる事すらしない

動いているのに
留まっている

アリエナイ

笑った ワラッテヤッタ

一番 狂い出していたのは

私の中のワタシか

ワタシじゃない
誰かサン達

間違いないと思フから

この手に握ったナニカは
どこか別の所に

ニセモノの形で

ホンモノの場所に

置き去りにシマシタ

『言葉足らず』

音を聞く 詩を歌う

思想を与えられ

光を見ては 闇に眠る

恵まれている

息を吸い 息を吐く

泣いて 笑って

怒って 焦って

数多ある感情に
生かされる

恵まれている

だからこそ

必ず

どこかを損っているのか

怪我をすれば
血は流れる

熱を出せば
頭痛に倒れる

痛みがあるから
快楽を模索している

ただ

この代償は何だろう?

胸の奥で
欠如した感覚

喜びと名付けた
温かい何かが存在しない

期待 信頼 確信 自信

いつしか
失っていた感覚

笑う事すら
偽りに思える日々の中

自分のみを責めるのは
ある種の癖なのか

人を蔑み 嫉み 狂う

そんな日々に
辟易しているのに

許しは無く

ただ
日々を重ねているだけ

『無い物ねだり』

昔人が言った

「才をえられるなら」
「病など怖くはない」

欲しがったとて
手には入らないよ

病は人を選ぶから

昔人は言った

「才を得られるなら」
「病が欲しい」

知らぬ人の
恐ろしい願い…

患っていなければ
解らない痛み

私は言った

「愛する人が」
「私を愛してくれるなら」

こんな中途半端な
才など要らない

病があっても
才が無いならば

苦しむだけの悲しい世界

愛する人が
隣にいて

愛する人と
口を聞いて 姿を見つめて

それが許されるなら

才も力も要らない

聞く耳持たない神様が
私から全てを引き剥がす

何も残らぬ私は
今日も痛みに悶えて眠る

もしも
愛する人が
私を愛してくれるなら

才も力も
要らないよ

いつも何かを
犠牲に変えた

いつも誰かを
犠牲に捧げた

欲張りな私は

いつしか
全てを引き剥がされた

『帰路』

伝える言葉も力も
封印したまま

三日月に見送られて

一人で帰る路

「気を付けるよ」

誰に言うでもなく

「心配しないで」

君に伝えても仕方なく

たとえ

僕に何かあっても

切り離された小舟の安否を
問う事もないでしょう

月と一緒に帰る途中

いつも
君を振り返る

笑っているのか
泣いているのか

今は解れないけど

君との時を振り返るんだよ

それだけで
温かい気持ちになるから

それくらいなら
許して欲しいと願った

月は
本当か嘘か

笑っていたよ

君に似た
柔らかい笑みを浮かべて

笑っていたよ

月だけが
着いてくる路

君と歩いた
路と同じ

様相のみ違えて

気付けば終着

「おかえりなさい」

月だけが
静かに今夜も囁いた

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