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『ハーレムの雌獅子』

ハーレムの壁に凭れて
雌獅子は
何を想うだろう

当然とされている真実を
彼女は
荒んだ瞳で見つめてた

選ばれ 選んだ結末

選び 選びぬいた結果

彼女は
壁に凭れて 荒んだ瞳で…


子獅子達の戯れ言に
私は耳を塞いだ

生きるか死ぬかと問われ
私は生きるを選んだ

選びぬいた雄獅子のため

私は…

私の出来る事をしよう…

自ら決めた道を
ただ ひたすら 歩もうか

狩りの最中に
負い過ぎた傷は深く

未だ はっきりと 私に刻む


壁に凭れ
ハーレムの中で

ただ小さく呟いた



私は
次にまた
生まれてくるならば

もう

…雌獅子にはなるまい…

一つに一つとして愛され
一つに一つのために

…生きよう…

『空洞』

空洞化した心

悲しいワケで無く
楽しいワケで無く

泣きたいワケでも
つらいワケでも無い

ただ
耳に音楽流し込んで

作り物をチラチラ
眼に入れるだけ

何があるでも無く
何が無い事も無い

侘しい事は無い
寂しい事も無い

何かを待つ事でも
期待する事も無い

ただ
時間だけが流れ

ただ
何故かその現実に
急かされている

何も無いのだから
眠ってしまおうか?

何も無いから
何を始めようか

空っぽの頭 心 体

平穏を望みながら
ただ今は 身を横たえて

空に問おう

私の 出来る事は何だ?
私は どうしたらイイ?

ただ

空っぽだ

という事だけが 解る

『右も左も』

あちらへ行けよ
こちらへ行けよ

指差された方向には
何があるのさ?

信じてもないのに

あちらへ こちらへ

どちらが
本当で嘘で 表で裏で

解りもしないのに
君が指差した方へと

ただ道を見つけて
歩いてみるんだ

本当か嘘かは
後でイイ。

失敗したなら
悪態ついて戻るだけ

いつもと同じ道を行く

暗いのか 明るいのか
それも

どちらでも良いよ…

お任せするよ…

ただ
どこかに辿り着いたなら

誰かが
出迎えて
くれるのだろうか?

きっと。を信じて

あちらへ行くよ
こちらへ行くよ

『無惨の草原』

いつも 流していた

「何が?」

花弁を切り裂いたら
何か 紅いものが一筋

「それだけか」

ため息をついた

茎を手折ったら
また じんわりとした涙

「知らない」

何も 何もかも

もう何も知らない

知りたくなんかない

草花が悲鳴を上げてた

止めてくれと

悲鳴を上げてた

跡に残った香は
断末魔を孕んだ緑の匂い

私が叫んだ跡には
何にも残らないのに…

思い出したくもない
悪夢がホロリ

誰にも知られない
秘め言ポロリ

貴方は知らない
貴方に知れない

本当の姿は
まるで煙のように
ヒラリ フワリ ユラリ

紅涙を流した花弁

また
眼の真下に舞落つる

ホラ
貴方の知らない紅い涙

貴方に知られてはならない
私しの真の姿

「幻だよ」

呟きながら
また

一人で歩き出した後ろ姿

何が見える?

貴方には
何が
見える? 聞こえる?

私の前には
刈り払われた
無惨な草原

「そんな…ものか」

涙隠して ホロリ 独り言

『害虫の言い分』

世界の半分を
噛ってみた

甘くも 辛くもない

ただ
苦いだけで

美味しくなんかない

反対側は
どんな色して

反対側は
どんな味かなぁ?

無邪気な気持ちが
逆に悲しい


1人で食べるには
多過ぎる世界

美味しいも
不味いも

共有できない
共有しては いけない?

人の罪やら 過ちを
食らう女神が
優しく微笑んで
私の頭を撫でている

―大丈夫
―私がいるわ

欲深な私は
その見えない手じゃ
満足出来ない

―大丈夫
―私はいるわ

罪を塗り重ねて
人は生きるのなら

私の罪は
いつ 昇華し 浄化する?

解らないまま

世界の半分を
噛ってみた

害虫と呼ばれようが

何と蔑まされようが

私は
世界の半分を
齧り尽くすよ

―最期に笑って
―死ねれば良いよ

―大丈夫
―私は貴女を
―見ていてあげる

世界の味は
苦いだけで

甘さも酸味も
辛さも何も

今の私にゃ
解りはしないよ

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