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『契約者』

一、声を出さない

一、連絡しない

一、気にしてはならない

罰なんだと思う

約立たずだと
身に染みて解らせるための

罰なんだと思う


一、期待はしない

一、笑わない

一、望まない

貴方が神と結んで
私に課しているとは
思いたくないけれども


一、愛さない

一、心配してはいけない

一、姿を見せてはならない

私は
邪魔なんだと知っている

私は
生きていてはならない

そこで
生きていては
いけない

解っているよ?

知っているよ

…それなのに
……ごめんなさい

一、我慢をする

一、自分を消す

一、耐え続ける

早く 楽になりたくなる

早く 逃げたいと思う

早く 幸せに
なりたいと願っている


規約は

誰が作ったか解らない

約束なんて

した覚えもない

だけど

契約された
理由が
解らないのに

だけど

だけれど

『残念ながら』

残念ながら
心が軋んでいます

残念ながら
桜が既に散りだしました

ちゃんと
今年は見に行けたのか
気掛かりです

残念ながら
貴方以外の人達といます

残念ながら
嫌気がさしています

日々の生活に
満足しているのですか?
気掛かりです

また
月が満ち欠け

また
私は独り寝

冷たいけれど
もうすぐ私の熱で温まる

再会も無い
煩い通り

限界を決めるのは自分
等と
偽善者がほざきました

決めたくなくても
限界は来るのだと

体が一番 知っている

頭が一番 解ってる

乗り越えられない試練など

本当は
乗り越えたくない試練です

残念ながら
痛みが退きませんで

残念ながら
想いは募りますので

なんとか

なんとか

壊してやろうと
努力して

癒してやろうと
頑張りました

だけれど

残念ながら
どうにもならず

残念ながら
満たされず

残念ながら



だ、そうです。

『鳥が歌っていた詩』

籠の中から聞こえてくる

小さい鳥の微かな歌声

時に優しく
時に可愛らしく
時に煩く

さえずっているけど

「籠から出たい」

いつからか思い始めた事



気が付いたの…



内も外も
オンもオフも
友情や恋も

自由もお休みさえ
無いわ…

プライベートは
いつも止まり木の上

ボォッとお外を見てる

愛でて貰えるの
嬉しいんだけど

飼い主に愛でて貰うの
当然な気がして…

空に焦がれて

お外の鳥に恋をして

他の鳥が番いになるの

いつも見てるの

悲しい歌を歌っても
気付いてさえもらえない

羽を休めるなんて
出来ないわ

夢の中では
大空を
自由に飛んでいる

こんな小さな躰では
こんな小さな翼では

外ではすぐに
死んでしまうのを

一番よく
知ってはいるけど…

お外の鳥に恋をしてから

外の世界に焦がれてる

自分も飛んでいけたなら

自分も混ざって飛べたなら

もう少しくらい
自由なのかしら?

もう少しくらい
幸せかしら…?

『鬼からの伝言』

嗚呼
知らなかったよ

真っ暗な夜に
独りぼっちだったボクの
小島に流れ着いた
小さな花…

驚きながら
引き上げたのが
昨日のようだネ

膝に頭を起き
黙って顔を覗いた…

蓮のように白い肌

黒百合の如き長い髪は
水にユラユラと揺らめく

白装束を着た躰が
水に濡れて浮かんでた

「キミが…」

呟いた時
微かに眉根を寄せたね

生きている

って そんなカンジだね

可愛いとか
綺麗だとか

そんな感覚は無かったけど
ただ
一緒に生きられる

そんな気はしてたよ…

キミが強くなるのは
怖くない

キミが壊れるのは
怖くない

ただ
ボクから離れるのが

なんだか
怖い

呪いで縛って
キミを留めた

呪いが得意で
キミを押さえた

「解き放って」

キミが泣くのが
何だか愛しい…

傍にいるから

ボクがいるから

いくらでも
声を聞かせてあげるヨ

ボクが
キミの魂を
しっかり抱いてる…

だから

怖くないヨ

だから

戻れないヨ


『空想の部屋と彼女』

「お兄ちゃん、聞いてよ」

裾を引き
彼女がトツトツと語る話

彼女が
消した笑みも
消した涙も

理解してもらえる日が
きっと
来る事でしょう

「代わりは沢山…」

私の代わりは
沢山いるのでしょう

だから
もう
存在していなくとも…

薄ら笑い浮かべて
半分開いた目蓋の奥
光無しの眼は灰色に見える

くったりとした四肢は
糸が切れたマリオネット

力なく横たわり
天を見上げた

「大丈夫よ…私は」

笑う息が
また漏れたよ

「お兄ちゃん?」

私 ドキドキしないの…

緊張も興奮も
愛しい人の前だって

心臓が高鳴らなくなった

生きていないのかな?

止まってるんじゃない?

「ねぇ?確かめてよ…」

兄と呼ばれた人は
どうするだろう?

私 生きているのか
解らないよ

いつからなのか
覚えてもいない

いつからなのか
解らない

「お兄ちゃん?」

私が人形だとしたら

少しは可愛いと
思えたかなぁ

少しは何かを
癒せたかなぁ

人の形はしているけど
なんか 違うような…

「笑ってみえる?」

表情はある?

私は動いている?

「…ねぇ?お兄ちゃん…」

横たわる彼女は
暗闇に向かって呟くの

きっと貴方が
そこにいるから

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