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『妄想からくる苦痛』

恐怖に慄いた手

捨て去ったものは
あまりにも大きいから

だから…

if...

不安が絶望に変わるなら

この手を染め上げて

断頭台から見下ろそう

その時は また

汚い笑みを

歪んだ体のままで
浮かべているさ

哀しみに暮れる妄想

逃げ出したい程の苦痛

それは
捨て去った何かの代償

嗚呼

病の中で知った本音は

未だに

私の中で

膨れては萎み

延々と

延々と

私を

縛り上げ
吊し上げ

剣のように
切り裂いてくるのです

『白』

四肢を投げ出して

天を仰いでいたなら

いつしか

爪先から

純白の鳩になって

私の躰は

散り散りに羽ばたく

怠い躰は

まるで自由を憐れみ

天を目指すのだろう

瞳は

何を見るだろう?

きっと

今まで見た事もない



空の蒼に負けない



嗚呼 きっと

その時が来たなら

今までに

一度も流せなかった

本当の涙が

頬を伝うんだろう…

感情は

あるだろうか?

五感は?

きっと

何も知らなかった

あの頃の様に

母の腹から這い出た

あの頃の様に

何もかもが恐ろしく

何もかもが愛しく

真っ白なままで

産声を上げられるだろう

ありもしない

涙さえ

流せるんだろう

『鬼の子よ。』

嗚呼
鬼の子が泣いている

生まれてはならない御魂が
震えて泣いている

胎児のままで
怯えているのか?

手を伸ばした虚空

それは許されない世界

明るいお日様の下
笑っている事すら罪…と

罰を受ける意味など無く
ただ
鬼の子だと言うだけの現実

無情だ…

なんと無情だ…

鬼の子は
涎を垂らして求める

自分の生まれる日を

母の愛を
温もりを

嗚呼
鬼の子が泣いている

母の腹を蹴っては

死にたくないと

泣き喚き

仕舞いに
笑い声を上げる

この世界に
何があるという?

母は
嘲笑う

己の罪を悔いながら

鬼の子の事など
知りもせず…

嗚呼 無情だ

鬼の子よ 嗚呼 鬼の子よ。

『ピンクの熊ちゃんと。』

シュガードロップ
口に含んだまま
ピンクの熊ちゃんと踊るの

私より可愛いドレスの
ピンクの熊ちゃん

貴方は
何味のドロップがお好き?

クラシカルなステップ

そんなのに飽きたら
どんなダンスを踊ろう?

くだらない世の中を
蹴散らすような音楽を

つまらない日常を
踏み砕くようなリズムを

私に頂戴?

ピンクの熊ちゃん
ちょっぴりチープな雰囲気

首を傾げて
私に手を差し伸べる

一度握ったなら
クセになる

踊りだしたら
果てるまで行こうか

脚が砕けたら
2人で笑おうか

ドロップの味は摩訶不思議
気が付いたら
変わってしまうの

流れている景色みたいね

どこか懐かしい

どこか新しい

馬鹿みたいな世界に
サヨナラするには
好都合 ネ。

『大好きな絵画と内情』

シュルレアリズムのお庭で
とろけた時計を片手に散歩

どこに行くの? って

この世界の向こうへ

灰色と黄土色の大地
ショックピンクのお空に
バイバイ って手を振った

嗚呼
青紫の雲が綺麗だな…


肥太った豚になるなら

燃えるキリンに乗って
逃げだそうよ

君が望む形は

きっと きっと
細長くて溶けそうな肢体

風が吹いたら
だけど きっと きっと
ボキッて折れるよ

そんな
笑っちゃうような世界
そこに逃げ込むつもり

夢に夢を見てる乙女も
いつかは
老婆に成り 果てる

自分を引き千切れば
何かが 何かが…

そんな空想から

大好きな貴方を
カンバスに殴り書き

それにしても
上手く行かないなぁ

なんて呟いた

大好き過ぎるから
きっとウマクイカナイ

だけど
嫌えと言われても
やっぱウマクイカナイ

だからこそ かな
ヒトが言う
「コワレタ」世界で独り

踊り続けることにしたよ
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