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『死者の声だと思う』

痛いの 痛いの
飛んでゆけ

どこでも 良いから

飛んでゆけ

お山の彼方か
海の向こうか

お空の上まで
飛んでゆけ

痛くて 痛くて
仕方がないんだ

お腹の真ん中
胸の真ん中

痛くて 痛くて
仕方がないんだ

悩みの元は 治らない

「私」が死ななきゃ
消えはしない

だけれど 残念

何故だか 死ねない

痛みが有るから
生きてるらしい

死んでないから
生きてるらしい

地獄があるなら
こんな痛みが続くんだろか

地獄ってのは
こんな日々が続くんだろか

生きているのに
感じられない

痛くて 痛くて

解らないんだ

生きてる喜び
忘れているんだ

『燕踊飛』

燕よ

そなたの鋭利な翼なら

あそこまで
行けるだろうか?

私が
易々とは行けぬ土地へ

どうか
届けておくれよ

花の乱れ咲く 春を連れ

燕よ どうか

もう届かない
私の声を

届けておくれよ

彼方の人へ

苦しく 泣き噎ぶ
この悲痛な想いを

疲れ切った意識は

すでに 限界を訴えて
身体が激痛に泣くのだ

それでも

無理をして 生きると
伝えてはくれまいか?

翼の無い私は
易々とは 辿り着けぬから

これからも 私は
悲しみに飲まれ
痛みに耐えねばならない

燕よ

どうか その翼で
彼方へ 彼方へ 彼方へ

この想いを連れてゆけ

ただ 一言

愛していると

ただ 一言で良いから

愛してはくれない
彼方へ

苦しみながら
囀りながら

痛みながら
鳴きながら

疲れ切ったならば
この枝に止まれば良い

どうか この残された

耐えの木の願い

翼よ

この願いを 聞いておくれ

彼方へ 想いを連れてゆけ
彼方へ 私を連れてゆけよ

と。

『呪の叙事詩』

汝を
ロキとして 見立てよう

かの奇神は
あまりにも有名で
あまりにも強力だ

故に

汝とは 釣り合わないが…

前提を置いた後に


なれば
我は アングルボダなり

純血の
かの三兄弟の
母となる役目は

誰でもなく

我が担おう…

我以外に
担わせたなら

最期の日には
誰かが目覚めて
世界が夢であったと

結末付けられよう

我が子宮より
悪夢が飛び出す

嗚呼 なんとも
壮大で 愚鈍な妄想

感無量とは 正に それだ



さて
憎々しげに
シギュンを配そう

それが
この悪魔の唯一の優しさだ

感謝せよ

この唯一の寛大がため

悪魔は悪魔と
蔑まされよう

真実を知らぬ者は
真に気付けぬ者は

我を悪魔と
分類しよう

さあ
シギュンよ

ロキの拘束に際し
共にいる事を許した

せいぜい ちっぽけな器で
滴る毒から
ロキを護るが良い

なれども

小さい盃では
何度もロキを害すだろう

呻き声を上げるたび

この地は震え
人々は恐れ 逃げ惑う

悲しみに支配されながら

このアングルボダは

産み落とした子らに
最期を託す

嗚呼 神よ
そんな大きな力があるなら

何故 我のみ
愛してくれないのだ

アングルボダにも なれず

まして
何でもない私は

ただ ただ

現実を恨みながら
息ひそめながら

彼の神話に 想いを馳せる

『歌う理由』

何か 呼ぶため
歌を歌うよ

鳥じゃないから
上手くはないけど

虫じゃないから
綺麗じゃないけど

私の声は
どこに届くか解らないけど

歌を作るよ

世界を作れない
そんな 私だから

短い世界に
何かを埋めてる

どこにも私は
居られないから

自分の歌に 住んでいる

自分の世界に 暮らしてる

だから 私は
歌い続ける

恋しい人に 届けよか?
愛しき君に 捧げよか?

いやいや
自分のために 歌おうか?

音はお好きなBGMを


私も好きな
メロディあてはめ

好きな節回しで
勝手に歌うよ

貴方の声が
届かない

私の声は
届かない

歌を歌うよ

空の彼方に

意味もなく

ただ

音を放つよ

意味もなく
意味を持たせて

彼方に

彼方に

歌を 放つよ

『旬花』


春を待ち

雪の真下で
息づいている私の根

いつの日か
誰にも負けぬ花を咲かす

その為だけ


待ち人来たらず


春を待つ間は
いと永い


雪の真下にて
眠っている
いずれ蕾を孕む草

いつの日か
誰にも負けぬ花を咲かそう

その為にだけ

己に賭けてみようか

待ち人 来る
遅くなれども

「待たせたな…」

取り逃した幸いは
どんな色だったでしょう?

次は 次こそは
と生きましょう

「認めましょう」

己の罪は…
蔦を伸ばせなかった事?

春を待ち

開花を 誰かに
認められたくて…

知られたくて…

いと哀し。
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