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『双方の矢』

切なさの中の刹那

一瞬の閃き
瞬きよりも早く

光の如く煌めきながら
私を貫いた矢…

月の女神の射た物か
愛の女神の子が射た物か

どちらかは未だ知れず

されども
その矢に射ぬかれた部位はズキリ、ズキリと
心音と共に歌を奏でる

愛歌となるか
哀歌となるか

今の私には解らない

ただただ
何度何回
自分の中を探してみても
矢を放った元は解らない

愛の歌を謳おう…
愛の歌を謳わせて…

哀の歌は聞き飽きた
哀の歌は歌い飽きた

幸せの歌を
救いの歌を

そう願いながら
突き刺さりし矢を
今宵も独り模索する

矢、放たれた時
運命は
どんな顔をしていた?

矢、射ぬかれた時
背後には
どんな未来が準備された?

解らないまま

未だ、独りで歩き

キミ恋しく

未だ、独りで歩く

心音
キミに聞こえるかい?

心音
キミに届くのかい?

『浮き沈み』

浮いては沈み
死に至る前に救われる

流した涙の池に溺れながら私は
何度そんな事を
繰り返しただろう?

ただ幸せを探し

ただ喜びを探し

ただ…
彷徨っているだけなのに

未だどちらにも会えず

私は
また涙を流す

故に
また涙の池は深く深く

私は
浮いては沈み
沈んでは浮かび

不安に怯え
虚しく空を見上げた…

天に見える光は
偽りだろうか?
本物だろうか?

『居場所の無い心』

固い、固い鉢の中には

とても柔らかな土と
脆くて頼りない根
細くて折れそうな茎

蕾を付ける割に
それは開花を知らない植物

どんな花が咲くのか
そんな事は
私にも解らない

いつか花が咲くかしら?

いつか花は咲くかしら?

あちらへこちらへ
鉢を動かしてみた

日当たり
日陰
風通し

色々試しているけれど

私の鉢はどこに置いても
しっくり来ない

脆くて頼りない
咲かない花

きっとこのまま
開花を知らず

置き場所探して
彷徨うだろう

どんな花が咲くかしら?

どんな花が咲くかしら?

誰も知らない
私も知らない

『おん-on-』

コトコトコト

乾いた、おん

そのコトに関して

うちから溢れてくるは

おん

溢れてくるは

おん、おん、おん

故に体は蝕まれ

またもや私は乾いて乾いた

ツウと流れた

それは何?

眼も忘れた、それは何?

コトコトコト

それに関して、奏でた怨

それに関して、奏でた音

コトコトコト

あのコト
そのコト
例のコト

琴弾き
事悲喜

オン、怨、音…

『蜘蛛が焦がれた日』

蜘蛛が蝶々に恋をした

蜘蛛は花に恋をした

いつも
蜘蛛は身分を忘れる

いつも
蜘蛛は身の丈を忘れる

無い物ねだりの
悲しい性に
蜘蛛は何度も涙した

蜘蛛は空に恋をした

蜘蛛は海に恋をした

どこかに雑ざってしまえば
きっと
救われるんじゃないかって



蜘蛛は金魚に恋をした

真ん丸ガラスの中
キラキラ尾鰭の
綺麗な金魚に恋をした

傍にいたいんだ

傍にいたいんだ

だから
日がな一日、見上げてた

窓辺の金魚鉢
キラキラ光る水の中
金魚はボクに
気付いただろうか?





窓辺で蜘蛛は死んでいた

真ん丸金魚鉢
キラキラ太陽に
その身を焦がし

窓辺で蜘蛛は死んでいた

金魚はボクに
気付くだろうか?
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