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『家庭内害虫』

蝶々になれたら
良いのにな

兜虫になれたら
良いのにな

蜻蛉になれたら
良いのにな

あんな姿から
成長してさ

蛹から孵化したら
こっちのもんだ

綺麗ですねって

強そうですねって

風流ですねって

褒められて

絵や写真になれたらな

愛されて

標本箱の中は
どんなカンジだろうね?

季節を知らせる蝉の声

儚く輝く蛍の灯

隊列組んだ蟻の群れ

嗚呼 どんな気分かな?
人に認められるって

姿見せたら
もう最期

気配発せば
もう終わり

餌に釣られりゃ
地獄行き

香を辿れば
待ち構えてるのは死神

何億年を生き抜いて

進化重ねて
人間様の
天下太平の元で
縮こまって生きるのよ

嫌われモノの家庭内害虫

愛された事無き家庭内害虫

『kuchinawa‐蛇‐』

蒼天に吸い込まれていく

それは儚い幻


天に焦がれたまま

首を持ち上げているのは
疲れたよ…

大地は焼け焦げ
胴がジリジリと焼ける感覚

それでも
雨の日もあれば曇りもある

嵐が去って
また台風がやって来る

藪の中から這い出しては
車道で危機に瀕したりして

ボクはまだ「蛇」の姿

龍になりたいと
天を初めて見上げたのは
いつの事だったか…

首を持ち上げているのは
疲れたよ…

だけど
諦める気持ちも起きないよ

這い回っては
罠にかかりそうになって

信じ過ぎては騙されて

それでも
未だ変わらず

天に焦がれた蛇

天に焦がれた蛇

空は蒼く澄み渡り
また夏は秋に変わりゆく

真冬の白に飲まれても

眠ったりしないよ

眠ったりしないよ

天に駆け上がる足が欲しい
天に広げる翼が欲しい

翼を持ったモノ達は
こんな小さな蛇に
気付かないけど

天に駆け上がる事が
容易い事とは思えないけど

ボクは

天に焦がれた蛇

天に焦がれた蛇

『ソーダ水とびー玉』

上か下かも解らずに
シュワリ上がってくる気泡

空気に溶けたら

「サヨナラ…」

炭酸水の冷たい飛沫が
また 小さな 小さな声で
唄いながら消えてゆく

転がるびー玉に
しがみついて

「消えたくないよ」

「消えたくないよ」

脳裏にこびり付いた
記憶と同じ声だ

冷えきった硝子瓶が
ツウと涙を流した

記憶を昇華するために
流した涙と同じだ

青緑色に透き通った瓶に
びー玉は
閉じ込められたまま

一度飛び込んだなら
二度と出られぬ
生き地獄と同じだ

シュワリと
また頬を掠めて飛沫が
あの憧れの空に

吸い込まれていく

続きは知らない

ただ
小さな穴から見上げた空は

ここよりは
幸せそうに見えていた…

『空いてますか?』

君が側に居た頃は
夢のような時でした

泣きたいくらいの幸せ

隣に眠る寝顔に
安らぎさえ感じた

怯え行く道筋に
希望ポツリと灯っていた


ありがとうの花束


唯一恐れた 失いの時

貴方の笑顔 奪い去られた

彼方に見えた小さな幸せ
未だに独り探している


貴方の横は空いてますか?


君が隣に居る時は
恐れ無く生ける時でした

一緒にいるだけの幸せ

隣で笑う微笑みに
何度と無く救われた

敵だらけの道端に
安らぎポカリと浮かんでた


ありがとうの一言


何より恐れた 失いの瞬

予想通りに 訪れる

貴方に見えた小さな幸せ
未だに探し続けてる


貴方の隣は空いてますか?


夢よ現つよ 幻よ
それでも共にいられた現実

こんな醜い私さえ
受け入れてくれた優しさは

儚く消えていくシャボン玉

それでも 嗚呼
声を聞かせて

極冬を耐えぬく
強さは唯一 貴方の優しさ

別れ際の言葉は
忘れないから


ぐるぅり回ったら
また会いましょう…

貴方の全て
忘れられないから


貴方の傍ら
空いていませんか?


『醜くなりて、野良猫』

なあ おい
俺を拾ってくれないか?

薄汚れては
どんどん汚れていく毛並み
もう 何の生き物だかも
解らないだろ?

内側が
完璧な迄にズタズタで

もう 可愛い顔なんか
していないだろ?

なあ おい
俺を忘れたりしてないだろ

甘い声出し
甘えてみせた

本当のところ
本当に可愛がっていた?

見えない尾を
君に絡めた

君がくれた
見えない首輪が
今尚 俺の首に掛かってる

も一度
抱き上げてくれたらな

も一度
撫でてくれたらな

次は必ず幸せにするさ

も一度
救ってくれたらな

も一度
愛してくれたらな

世界の誰より
君を幸せにしてやるよ

なあ おい
俺が何だか教えてよ

なあ おい
俺をここから救い出してよ
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