嗚呼
鬼の子が泣いている

生まれてはならない御魂が
震えて泣いている

胎児のままで
怯えているのか?

手を伸ばした虚空

それは許されない世界

明るいお日様の下
笑っている事すら罪…と

罰を受ける意味など無く
ただ
鬼の子だと言うだけの現実

無情だ…

なんと無情だ…

鬼の子は
涎を垂らして求める

自分の生まれる日を

母の愛を
温もりを

嗚呼
鬼の子が泣いている

母の腹を蹴っては

死にたくないと

泣き喚き

仕舞いに
笑い声を上げる

この世界に
何があるという?

母は
嘲笑う

己の罪を悔いながら

鬼の子の事など
知りもせず…

嗚呼 無情だ

鬼の子よ 嗚呼 鬼の子よ。