四肢を投げ出して
天を仰いでいたなら
いつしか
爪先から
純白の鳩になって
私の躰は
散り散りに羽ばたく
怠い躰は
まるで自由を憐れみ
天を目指すのだろう
瞳は
何を見るだろう?
きっと
今まで見た事もない
白
空の蒼に負けない
白
嗚呼 きっと
その時が来たなら
今までに
一度も流せなかった
本当の涙が
頬を伝うんだろう…
感情は
あるだろうか?
五感は?
きっと
何も知らなかった
あの頃の様に
母の腹から這い出た
あの頃の様に
何もかもが恐ろしく
何もかもが愛しく
真っ白なままで
産声を上げられるだろう
ありもしない
涙さえ
流せるんだろう